夫婦円満のヒント

どの夫婦も、相手のマイナス部分がかならず自分の中にもある

以前の私は、一向に自分が望む方向に改善しない夫婦関係と、一向に自分が望む方向に変わらない夫にイライラしていた。

以前の夫は、一向に自分が望む方向に改善しない夫婦関係と、一向に自分が望む方向に変わらない妻にイライラしていた。

お互いが問題に対する答えを分かった気になっていて、出口のない輪っかをぐるぐると回りいつも同じスタート地点に戻っていた。自分自身については二人とも見えていなかった。

人と人が惹かれ合う理由。どの夫婦も、夫婦となる縁があったということは、相手のマイナス部分がかならず自分の中にもある。

それがわかってくると、結婚というものに納得がいくようになった。自分でも知らなかった面、認めたくないために隠されていた面を、長い年月をかけてカウンセリングや夫婦の会話や自問自答を積み重ねて表に出していった。

夫に抱いたモヤモヤする感情は夫本人に伝えないと、もっとモヤモヤして不満として残る。夫が私に対して抱いたモヤモヤする感情も、私が心を開いていることで、夫が私に伝えやすい関係を保っていきたい。

そして相手に抱いたモヤモヤの正体は、自分の中にある解消していないわだかまりなのでは?と違う面を見ようとする視点も忘れないようにしたい。そうやって少しずつ、自分との関係をゆるめていき、夫婦となる縁を一緒に結んだ夫との関係を強めていきたい。

樹木希林さんといえば、破茶滅茶な内田裕也さんという夫がいて、内田さんが起こした不祥事をその都度カバーしてきた出来る妻であり可哀想な女性、というイメージをワイドショーや週刊誌が作り上げたため、そのようなイメージが世間ではあったそうだ。そんな両親に実際に育てられた娘の内田也哉子さんが想いを語る動画を見たことがあり、たしかこんな内容だったと思う。

母はいっさい父の悪口を言わなかった。一見、世間では母が善で父が悪のように見えるけれど、母は「そうじゃない」と私に言い続けた。「夫婦は同じものを持っている。私の方が裕也に助けられている」と。

母が父の悪口を子供に言うような人ではなかったから、也哉子さんは母のことを悪く言わない大人に育ったのだろうと想像する。

私も父や母から、相手の悪口を聞かされたことは一度もない。だからか、パートナーの悪口で繋がりたい人間関係が近づいてきても、避けようと自然に思える。他人に向けて、自分のパートナーが悪いと言い続けて、そこから生まれるものはないから。

父や母がワイドショーや週刊誌を鵜呑みにして、好き勝手に言われている芸能人を同じように批判しているのも見たことがない。だからか、芸能人でも一般人でも、ネットや世間のネガティブな声にはさほど影響を受けず、知らない人と自分を比較して勝手な否定的感情を持つことがない。

親の姿を引き継ぐか改めるかは子供自身の選択によるが、ネットやSNSが発達した時代にいる私としては、自然に見せてくれた親の背中に感謝し、尊敬している。

先日、図書館で樹木希林さんの本を見つけた。スパッと歯切れのいい言葉やクスッと笑ってしまう出来事を楽しく読んでいるうちに、娘の内田也哉子さんにも興味を持ち、過去のインタビュー動画を見るようになった。深い味わいある言葉をゆったりとしたテンポで話されているから、耳からは柔らかい印象を受けるのに、内容は奇想天外な育った家庭環境や母としての樹木希林さんの個性的な言動。

私はそれらに驚きの連続なのに、不思議でありながらお互いを思いやる家族像が思い浮かぶのは、家族に属する個人の形がしっかりと見えるからだろう。特に子供が一人の人間として扱われる大切さを改めて考えさせられる。也哉子さん自身には独特の雰囲気があり魅力を感じる。お二人の本も動画もおすすめです!

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