皆さんの体験談

不登校の娘が教えてくれた「親が自分と向き合い、自分を大切にすること」チェさん編

今の日本は不登校児が劇的に増えています。学校の存在、不登校に対する概念も私が子どもの頃のものとはだいぶ変わってきています。ですが、学校の時代に合わない根拠や意味もないルール、集団教育の根本は、あの頃と何も変わってないと肌で感じます。

無意識に自分たちはこの社会に常識や価値観を植え付けられていて、大抵の人はそれを不思議とすら思わないですよね。だけど、小学3年の娘は身体で感じてしまったんです。その時は、原因がわからぬまま学校に行けなくなっていきました。

80年代生まれの私にとって、学校に行くことは子どもの義務だという常識が固まってしまっていて、心から受容するのに時間がかかりました。私自身も幼少期に学校に不自由を感じていたにも関わらず、「集団に溶け込む方が楽だ、この子のためだ」と思い込んでいました。本当は教育や社会の仕組みに問題があり、子どもたちは何も悪くないんですよね。むしろ、教育現場での生きづらさにちゃんと気付いて、反応して、訴えている娘の感性を大切にしてあげられていたらよかったです。

でも、日本の「~しなければならない、◯◯であらねばならない教育」で育った者として、それにとても疲れていても、「自由で個性のある教育」とはどんな風なのか?わからないのです。

私は親として未熟だったのと、自分が普通とは違う感覚で苦しんできた経験から、「普通」であることの方がこの社会では生きやすいと思ってしまい、心無い言葉で責め立て、娘を傷付けてしまいました。

親の私の価値観を押し付けられ耐えられなくなった娘は、心身共に元気がなくなり、不安を強く感じるようになりました。「起立性調節障害」も原因の一つとしてありましたが、ほとんど精神的な要因が大きいです。

カウンセリングで自分と向き合った

原因不明の不登校が続く中、私も精神の限界がきて、娘を実母に預けました。援助してくれる存在があり感謝しています。その間に私はカウンセリングに通い、ひたすら自分と向き合いました。

3ヶ月後、私の気持ちが落ち着き、娘の人生を尊重すると決め、迎えに行きました。これまでの酷かった発言を謝り、「愛している」と伝え、一緒に暮らしたいと話しました。

その後はゆっくりゆっくり穏やかに過ごし、段々と外に出られるようになっていきました。電車も苦手でしたが乗れるようになり、2〜3学期行けていなかったのですが、3学期の最後の月に週に一度の授業(通級)にも私同伴で通いました。私が元気でいると、娘も笑顔になるのが分かりました。

学校にも感謝です。元々支援体制が整っており、娘がどうすれば学校を安心と思えるか考え行動してくれました。ただ、こちらからアプローチしていくことが大事です。色んな人から情報をもらい、提案していきました。

そうして新学期から支援級に入ることになり、1日数回の少人数制の授業を受けられる安心感、不安を感じたり身体的にしんどくなれば、休みに来れる安心できる場所ができました。新学期は楽しく通えていて、心身共に元気です。

この変化に先生方も驚きを隠せないようで、私の教育スタンスを変えた、としか説明しておりません。

結局私が自分自身を愛せない、許せない

不登校は、誰かのせいなのか?学校のせいなのか?それとも娘自身が怠けているのか?娘自身に問題があるのか?とばかり思っていたのが、「根本的な問題は私にあった」ということになります。

子どもの問題は私自身の問題に繋がっていることが分かり、私が変わると子どもも変わってきました。親子は鏡です。

私はカウンセリングを受ける形で自分と向き合い、変わる、ということをやってきました。今も進行中です。

カウンセリングでは、自己否定や他人軸で生きる私が、「結局私が自分自身を愛せない、許せない」ということが、娘の不登校を引き起こしていることが分かりました。娘が教えてくれようとしたんですね。紐解いていくと、インナーチャイルドに出会いました。

自分が変われば、色んなことが変わってきました。これまでの自分の価値観とはまるで正反対になったものもあります。自分に無意識に染み付いた価値観や常識について深く考えさせられることになりました。正義感が強すぎたのですが、人に対する見方も変わったことで「文句という名の意見」を言うことも減りました。

しかし自分と向き合う事は、本当に厳しいことですね。変わりたいと思っていても、なんだかんだ「これまでの自分」がかわいいし…悪い面や醜い面を認識しなければならないし…それでも、私は娘のために(本当は自分自身のためじゃないといけません)変わりたい!と思って続けています。

ただ、親が自分に向き合えば子どもが登校するようになるわけではなく、それでも不登校が続くなら子どもが望んでそれを選択しているということです。向き合った上で、子どものメッセージはなにかを見極めていかなければなりません。

今は娘の気持ちを尊重し、この子にとって一番楽しめる選択をしていきたいと考えています。

両親に求めていた愛情

私の場合、人のせいにしながら他人軸で生きてきたことが分かりました。自分の人生は自分で幸せにしなければならないのに。その相手は両親で、両親に対して悶々と生きてきました。

三姉妹の真ん中で親を散々困らせ拗らせてきました。「私を見てほしい!こんな私でも愛してくれるのか?妹と同じくらい愛しているのか?」試し行動をしたり、ずっと愛を求めてきました。

親なりに私を愛してくれましたが、どうしても姉妹と比較してしまい、「愛されてない可哀想な私」や「グズっている私」を手放せずにいました。まだ何かを期待していたのです。

それはなんと最近まで続いていて、その方法で幸せになることをやめる決意をしました。そもそもそれは幸せにはならないからです。

それまで、その事実は分かっているのに、これまでの自分を否定するような感覚で、中々手放せずにいて手こずりました。どうやって手放したかと言うと、何度もカウンセリングをしてもらいながら、自分で毎日毎日自分と向き合い対話を重ね、自分は自分の力で幸せにすると言い続けてきた結果です。

カウンセリングは魔法ではなく、心の底から自分が変わると決意をしなければ効果はありません。そのお手伝いをしてくれるものです。また、自分の本音を引き出すお手伝いもしてくれます。

現在、両親とは距離を置いています。まだ頭の中が落ち着いておらず、精神的自立が確立されたらいい関係性になれると思っています。

親が気づき、認めるだけ

子どもの問題は、親の問題が写し出されていることがあります。だから親の私が自分と向き合うことは、必ずやるべきだと学びました。これは責めるとかの話ではないことを理解するのが重要で、親が「気づき、認める」だけでいいのです。もし過去の私のように悩んでいる人がいたら、この「気づき」から目を逸らさないで向き合うことを意識してみて下さい。

過去、私は自分を責めてしまっていましたが、親子で苦しみを伴う愛の学び方はやめて楽しいやり方に変更しました。

そんな時、さくらさんが「自分と向き合うことが大切」だと発信されていて、それをやっている自分にこれまた自信が湧きました。自分の感情が溢れた時、対話するようにしています。最初は全く出来なかったですが、何度もやると見えてくるものですね!

真逆の意見の人に会っても、その出会いに感謝すら覚えます。何が違うのか何故そう思うのか、自分の中のルールや思考に気付くからです。自分の考えは本当に正しいのか?そのマイルールは必要なのか?それで幸せなのか?を問います。「ま、いっか」精神を鍛えています。

これまでは正義感が強く、時にはそれがしんどいこともありましたが、今は相手の考えを尊重できるようになりました。なので、以前は否定的だったことも受け入れるようにして、娘にも「YouTubeだめ!」とか「遅くまで遊ぶのはやめて!」と言わなくなりました。毎日やることはやって楽しんでいます。

過干渉や過保護は、親の私の不安からくるものでした。その不安は、子どもを信じてないから起こっていたのです。そしてそれは、私が私自身を信じていないから、ということを意味しています。ここで、自分自身を肯定することが、子育てにどれだけ影響するかが分かります。子どもは親から信じてもらっていないと心で感じとります。うちの場合は、娘が不登校で訴えてきたのが一つだと思います。

子どもが自由に選択していける世界を創ってあげたい

親なら誰でも、子どもの幸せを願うものです。将来を期待する人も多いと思います。しかし、一番忘れてはいけないことは、子どもと自分は別の人間であり、別の人生を歩むということです。

子どもであれ、1人の人間です。自分の趣味、思考、感性もしっかり持っています。母親は特に、お腹を痛めて産んで、分身のような存在だと錯覚してしまいます。ご自身の想いが強く溢れている場合、一旦冷静になって共依存してしまっていないか、考えてみることをお勧めします。

自身が思う幸せと子どもが思う幸せは違います。

親は、子どもが何をやりたいのかを探す手伝いをし、見つけたら精一杯応援するのが役目なのでは、と私なりの答えを見出しました。どんな道を選んでも、ありのままの姿を受け入れ一番の理解者になる。そんな安心感の中、自由に選択していける世界はどれほど幸せでしょうか。そんな世界を創ってあげたいと思います。

インナーチャイルドを癒し自分自身の声を聞いていくうち、体調も改善傾向にあります。(不安障害があります)身体も心も健康になってくると、次は、「私は本当は何がしたいのだろう?」と考えるようになりました。

日常で我慢していることはありませんか?
自分の本当の気持ちから目を逸らしていませんか?
自分自身の本当の幸せが家族を幸せにすることが出来ます。

今後の目標は、自ら行動し喜びを感じる姿を娘に見せて、自分がより幸せになる過程を体現していきたい!と強く思っています。

そのために、自分と向き合うことを続けていきます。