皆さんの体験談

東日本大震災で夫を亡くして…後から分かった夫と子どものアスペルガー症候群 / ミホさん編

私の経験したことを、さくらさんとアランさんのアカウントで発信していただければと思います。

私の夫は、2011年3月11日、東日本大震災で亡くなりました。

私と息子は、私の実家(他県)に帰っていたので無事でした。

実家に帰っていた理由は、夫と一緒に暮らしていくのが精神的に辛くなったからです。

夫のことをたくさん罵っていました。

夫のことを酷い言葉で傷つけていました。

夫なんていなくなればいいと思っていました。

夫が全て悪いんだと思っていました。

でも、突然亡くなってしまうなんて想像もしていませんでした。

夫の死は、運が悪かったんじゃない、私がいなくなれなんて思っていたから、神様が私に罰を与えたのだと、悔やんでも悔やみきれません。

私の時間は、震災があったあの日から止まっています。


息子が小学生になったばかりの頃、アスペルガー症候群と診断されました。

育てるのが大変なのは、シングルマザーだからだと思っていたので驚きました。

アスペルガーの特性を知り、心臓が止まりそうでした。

過呼吸になるほど泣きました。

夫は確実にアスペルガー症候群で、私は確実にカサンドラ症候群でした。


願いが叶うなら、もう一度だけ夫に会いたいです。


そして、謝りたいです。

ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。

あなたに会いたいです。

大きくなった息子にも会って欲しいです。

息子を抱きしめて欲しいです。

またあなたと家族になりたいです。

またあなたの奥さんになりたいです。

もっと早くあなたの発達障害を知れていたら、もっとあなたを理解してあげていたら、もっとありがとうと言えてたら、もっと愛していると言えていたら、後悔しかありません。



今まで、残された息子と一緒に生きていくことで精一杯でした。

しかし、自分の心にも向き合わなければと思い、配偶者を亡くした会に参加するようになりました。

その会で出会った人に説得され、長い間ほったらかしだった心のために、心理士とのカウンセリングに通うようになりました。

誰にも言えなかった自分の気持ちを、ようやく言葉にできるようになりました。

自分でも気づかなかった心の病気が、結婚する前からあったことにも気づかされました。

息子には、どんな病気や障害があっても、ただ生きてくれているだけで感謝しています。

そのままの息子であり続け、この世に存在してくれているだけで、それだけで十分です。


私は夫を失ったあの日から、自分の生きる意味、夫婦である意味、家族である意味、命がある意味、全ての考えが180度変わりました。

なぜ、大切な夫の命を失わなければ、私は変われなかったのだろう。

家族連れを見るのが、今でも辛いです。

耐えられないほど、辛い時もあります。

笑っていても、涙がこぼれ落ちている時があります。

どんな病気や障害があっても、命ある夫がいて羨ましいです。

これからもずっとそうだと思います。

忘れることなんてできません。

大切な人が生きているうちに、感謝の気持ちを伝えて欲しいです。

ミホさん、心よりお悔やみ申し上げます。