皆さんの体験談

結婚36年目、妻からアスペルガーではないか?と言われた / 白石さん編

私は69歳でシステムエンジニアをしています。結婚して36年目、妻が私に対して持っていた違和感は、私のアスペルガー症候群の傾向からきているとわかり、それを分かち合ってくれました。今は夫婦関係を改善しようと奮闘中です。

1+1が2でない世界を知っていた

自分にアスペルガー症候群の傾向があると思えば、いつも漠然と違和感があった人生の節目の高校受験、大学受験、仕事での出来事の一つ一つで、普通の人では起きない事がなぜ起こったかも理解できました。

子供の頃から、自分の生きている世界と自分が持っている世界観が違い、いつも違和感を持ちながら生きてきました。

1+1が2の世界だけではなく、1+1が2でない世界も私の中には存在していました。

しかし周囲にそんな話をすれば、「子供時代の社会との違和感は成長していく中で無くなっていきますよ」と言われてしまいました。私には子供の頃から2つの世界があっても、1+1が2の世界しか知らない人たちからは理解してもらえないのを知り、人には話さないようになりました。

「人と違う事をしてはいけない、目立たないようにしなさい」と育てられてきたからだと思います。

日本では「出る杭は打たれる」という文化があります。仕事でもそれを体験し、さらに子どもの頃から「人と違うこと」に対してすごく敏感に反応する自分がいて、妻からアスペルガーではないか?と言われた時、それを受け入れるのに最初は抵抗がありました。

私はそれほど「普通の人」として、気をつけて生きてきたのだろうと思います。

違いのある人が「障害者」になる日本

日本企業のシステムエンジニアの世界は体育会系で、私の所属していたグループ企業も典型的な日本企業でした。幸いにも私が所属していたところは割とその影響を受けない組織だったので、20年間、自分の好きな事をやらせてもらえました。

それでも10数年前にグループ全体の組織改編があった時、もう居場所が無いなと感じ、独立して今の会社を立ち上げました。幸い私を支援してくれる会社がグループ会社内に何社もあったので、今日までやってこれました。

私は運良くいい出会いがあったのでここまでやってこれましたが、つくづく今の日本の若者はかわいそうだと感じます。自分が若者だったら、閉塞感に押しつぶされると思います。

今の日本では、アスペルガーが違いのある人ではなく「障害者」になってしまうから。

豊かな人生を二人で築き上げていきたい

妻は、日本のネットでアスペルガーの事を発信している人は、離婚したり人生をうまく生きられない視点から発信している人が多いと言っています。そうではなく、私との関係をより良いものにしたく色々学んだり調べていくうちに出逢ったのが、Alan&SakuraさんのYouTubeだそうです。

夫婦で一緒に見た「病気の妻になぜ大丈夫とすら聞いてくれないの?」には、Alanさんの気持ちに涙が出そうになるくらい共感できました。

私も妻も、お二人が違いを乗り越えて良い関係を築いていこうとする姿勢が好きで、共感と励ましを受けました。妻に悲しい思いをさせる事もありますが、豊かな人生を二人で築き上げていきたいと心から思っています。

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