Q&A

Q.夫婦関係をやり直す上で、具体的にどんな関係性を築こうとしてきた?

Q.夫婦関係をやり直す上で、具体的にどんな関係性を築こうとしてきましたか?

「傷つく&傷ける関係」ではなく、心の中で思っている本当の気持ちを伝え合い受け止め合える関係です。

昔の僕は、妻の悩みや相談に「話し合うなんて大袈裟」と鼻で笑ったり、僕の考える結論を一言投げて終わっていました。夫婦関係に早くからしこりを感じていた妻に、僕のあり方について指摘された時も、真面目に対応したことはありません。それでも妻が伝え続けてくるようなら「そんなこと気にするなんて神経質だよ。誰もそんなことで悩まない、考えないようにすればいい」と面倒くさそうに対応していました。

長い年月をかけて自分に向き合い気づいたのは、この言動の根本的な始まりが幼少期の親子関係にあったことです。僕には自分の悩みや相談にきちんと向き合ってくれる大人が身近にいなかったのです。そして両親を見ても夫婦として、それぞれに向き合い折り合いをつけていく姿を見たことがありません。両親が喧嘩をしたら子ども達が間に入って止めるか、互いを無視している両親の機嫌をとりながら、家庭の空気を変えようと一生懸命になっていました。そして時が解決するのを待ちました。

「嫌なことがあったら考えないようにすればいい」この考え方の原点は、子どもの頃に親を見て学んだことでした。母の口癖でもありました。さらに僕は長男だったので、「長男だからしっかりしなさい。男の子はくよくよ悩まず強くありなさい」という価値観も教えられてきました。そうやって自分の悩みは解決されないままの状態で、心の奥底に溜めるようになりました。それが僕の普通でした。

大人になってから妻のように僕を頼って悩みを打ち明けてくれる人が現れても、自分が幼少期に経験した対応をしていました。悩むことが本当に時間の無駄だと信じていたので、人の気持ちを聞いてあげるよりも、どうやったら悩みを忘れて考えないようにさせるかを考えていました。悩みがあったら誰かに話してもいい術を、知らなかったのです。僕が人の気持ちに寄り添えない面は、僕自身の傷ついた気持ちが放置されたままにされてきたことが大きな原因でした。

昔の妻は、自分が聞き慣れている返答を僕がしないことが、僕の改善点だと思っていました。同じであることに安心感を抱き、違いがあることに不安を感じていました。夫婦だからこそ同じでありたいという気持ちが強くあったそうです。だからお互い無意識に傷つけ合い、傷つきたくないから会話が減っていきました。

言葉を選びながら自分の気持ちを素直に伝えられ、相手の気持ちも否定せず受け入れられる関係でありたいです。