アメリカでの学び

幼少期に満たされなかった感情は、大人になっても心の片隅に残っているもの

もうすぐハロウィン。ご近所アプリを見たら、どこの家でお菓子が用意されているか地図で分かるようになっていた。そこに興味深い注意書きがあった。「10代の子どもがお菓子をもらいに来ても、追い払ったりお菓子をあげない行為は絶対にせず、笑顔で出迎えてあげて下さい。みんなであたたかなイベントにしましょう!」どういうこと?

詳細を読むとその意味がわかった。幼少期に何らかの家庭の事情で、ハロウィンのイベントに参加できなかった子ども達がいる。コスチュームを着てお菓子をもらいにいく、子どもにとって最高な日。その機会が持てなかった子ども達が、中学生や高校生になってやってくる場合がある。でもお菓子をもらうには大きすぎる年齢と思う人が多いそう。

去年、その子達が「もう大きいんだから小さな子にお菓子を譲りなさい」と注意されてしまい、とても傷ついたという報告があったと。見た目は大きくても、ハロウィンに参加するのは初めてで心から楽しみにしていた子ども達かもしれないよね。

私は日本でハロウィンを経験せずに育ったから、自分の知らない文化の中には人々の様々な感情が刻まれていると改めて感じた。そして読んでいて悲しくなった。

でも、下に続くみんなのコメントを読んでいくと優しい気持ちに変わった。「うちは子どもから大人まで大歓迎です。ペットのオヤツも用意しておきます!」「大人になってもお菓子もらいに行きたいわよね。あのワクワクは年齢関係ない!」「私は孫がいるおばあさんだけど、自分が参加したいから老人ホームで開催してもらうのよ!笑」「子どもの頃、両親の関係が複雑で参加できない年は泣いてたわ。やっぱり心に残っているもの。私は30代だけどお菓子もらいに行きたい!」

そこに一際目をひくコメントがあった。

「私は子どもの頃、ハロウィン以外にもいろいろ我慢しなければいけない家庭で育ちました。結婚してから、自分がやりたかったことを子どもにやらせたり、親がしてくれなかったことを夫に求めて満たされてようとしていました。心は満たされませんでした。私の中に残っている子ども心を楽しませてあげたい。私もハロウィン参加したいです」

うん、わかるよ。

大勢からのあたたかなコメントに溢れていて、私もこの方の幸せを願った。

幼少期に満たされなかった感情は、大人になっても心の片隅に残っているもの。その感情を隠したり悲しみのまま残しておくよりも、代わりに他人に満たして貰おうとするよりも、自分の心を自分で満たしてあげる方法を見つけることが大切だと思う。

年齢関係なく、みんなが楽しめるハロウィンになりますように。