アメリカで、家庭環境に問題がある子供達に関わったことがある。学校、カウンセラー、周囲の機関で把握してサポートする。でもその家庭の問題とは、親がホームレスで薬物中毒、アルコール依存でDV育児放棄など凄まじいケースが多かった。AC予備軍かそれ以上なのは明らか。
一方、日本人はほとんどがACに当てはまるという。日本の教育システム自体がAC思考の人を生む仕組みだからだ。代々受け継がれてきた教育や家庭のあり方は、変わらなければいけない。
仮に家庭環境が最初にあげたようなくらい深刻でも、せめて学校や施設などの外の社会に繋がった時に健全な人間関係を学べればいいのに、その場所が存在しないのではないだろうか。家庭でも学校でも、角を落とされ他人の扱いやすい同じ形にされていく。自分の意見や感覚が必要なくなっていく。
機能不全家族の主な特徴を見ると、私の育った家庭はそこまで当てはまっていない。しかし、自分の受けてきた「日本の教育」と重なる点が多すぎる。機能不全教育が存在していたのだ。きっと今の時代も。 機能不全家族の特徴を10つあげてみると、全部学校での生活に当てはまった。
- 型にハメられていた
- 身体的虐待があった
- 精神的虐待があった
- 厳格ルールがあった
- 子供らしく過ごせなかった
- 意味不明な規則を押しつけられた
- 外面ばかり気にする家族だった
- 正しいか間違っているかの二択
- 親の期待に応え自分の価値を認められた
- 親の言う事が絶対で従わされていた
9と10の主語が「親」の部分は「先生」に変えればすんなり当てはまる。7は、生徒が教師から暴力を受けたり、不適切指導があって保護者が教育委員会や学校に謝罪や改善を訴えても、隠ぺいされたのを覚えている。学校は子供より学校を守る場所だった。
私とアメリカ人の夫は、夫婦関係の改善を行う上で育った家庭環境を振り返る過程は欠かせなかった。しかし私だけカウンセラーに「日本の教育を受けた日本人」に焦点を当てられたことがあった。夫と私、同じアダルトチルドレンでも、夫は育った家庭環境、私は日本人という国民性を知る必要があった。
日本人の性格の傾向に以下があげられるが、ACの特徴そのものでもある。
- 自己主張できない
- 完璧主義者
- NOが言えない
- 嫌でもじっと耐える
- 他人に承認されたい
- 他人との比較で疲れる
- 期待に応えようと頑張る(頑張りすぎる)
- 指示されたことをやり遂げる(指示されたことしかできない)
こういう生きづらさが社会問題を作り出している。残業、ワンオペ、社畜、パワハラ、モラハラ、自殺。家族より会社を優先し、他人のために自分を犠牲にする。とにかく一人で耐える。頼りたい相手も余裕がなく共倒れする。
教育はその後の生き方に影響するもの。子供はどんな色でも染まってしまう。これから改善していく課題はたくさんあると思うけど、上が認めてから変わるのを待つとかではなく、子供の素直な声がその場で認められて、大人と子供が一緒に学んでいけるような仕組みだったらいいなと思う。