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一緒にいたいのに上手くいかない人と、向きあい支えあっていく物語

心の痛みを抱えたなんとなく似ている男女が惹かれ合い、互いの痛みを理解し、心を癒しながら成長していく過程を温かく描いた韓国ドラマ:It’s Okay to Not Be Okay (サイコだけど大丈夫) を夫婦で見た。ただただ素晴らしかった。

親との関係、心の病気、家族愛、自閉症。様々な人間関係とそれぞれの気持ちが絡み合い、時には寄り添い時には傷つけ合う。本当は相手に側にいてほしいのに押しのける。

内容をあまり調べずに見始めたドラマだったが、選んだのは必然だったと感じた。夫婦で見れて本当に良かった。

自閉症の人に見られがちな行動も(くるくる回る、手をひらひらさせる、狭い空間に閉じこもる)多く紹介されている。その度に本人の気持ちが丁寧に表現してあるので、落ち着きを取り戻すためにやっているなど、行動の理由が知れるのも良かった。

このドラマがなぜアメリカでも大ヒットしたか夫と話していて「主人公に自分を重ねて見るようになる」という結論になった。幼少期に言われて心に残っている傷、愛されたかった人への憎しみ、家族への自己犠牲、大嫌いなのに離れられない人、孤独と愛情、など。多くの人に心当たりある場面が出てくるのだろう。

だから主人公が自分に向き合い成長する過程を見ながら、自分も自分に向き合い成長していく。一緒にいたいのに上手くいかない人と向きあい支えあっていく。ぶつかり合い互いの欠点を補いあっていく。自分の弱さを認め協力しあっていく。

衣装の繊細さや映像の美しさに目を奪われる一方で、自分達の通ってきた道のりを思い出しながら見入ったドラマだった。