道を一人歩いていたら大柄の男がソワソワしながら近づいてきて「少し話す時間ありますか?」と聞かれた。怖くて後退りすると、男の手元に赤い紙切れが見えて、さらに怪しく感じた。
後退りしながら「なんで、ですか?」と戸惑い聞き返した。カバンに常備してあるスタンガンと防犯ブザーをすぐ手動できるように、手で触れておいた。
すると男が話しを始めた。「自分は高校のアメリカンフットボールのチームに所属している。チームの資金を集めるために、今週末に洗車をしてチャリティー活動を行う。$10でこの洗車チケットを購入してくれませんか?」とのことだった。
あ、そうだったのね!無愛想な対応しちゃってごめんなさい!と心の中で慌てて反省するだけでは収まらず、口からもれた。まだ10代だったことにも驚いた。アメリカの高校生は男女共に大人びている印象を受ける。
昔、サンフランシスコで知らない男から声をかけられて危険な目にあったことが多々ある。だからここ田舎に引っ越してきても、周囲に人がいない時に男性に話しかけられると警戒する。自分の身を守るためにはそうであるべきだと思うけれど。
逆にこの高校生は、知らない人に話しかけることに勇気がいっただろうな。人々の対応も、フレンドリーな人から私のように挙動不審になる人がいることは、きっとよい社会経験になったはず。人はいろんな違いある反応をするということ。過去のそれぞれの経験から。
週末に夫と一緒に洗車会場に行った。そこにいたのは大人びた高校生たち…ではなく、泡だらけでスポンジを投げつけふざけ合っている子供たちだった。たまに女子がめちゃくちゃ怒って男子グループにホースで水をぶっかけて注意してたり、終いには保護者が数人出てきて車を洗っていた。
青春っていいな!


