さくらの気持ち

悲惨だった誕生日旅行〜夫が発達障害と分かってモヤモヤした私の気持ち

今朝、久々に夫婦で大喧嘩をした。昔は日常的に繰り返していた、怒鳴り合い否定し合いの酷いレベルのやつ。喉が痛い。その後、未解決のまま夫は自室にこもりに行ったので、私は庭に出で日光浴しながら携帯をいじっている。なので、夫の好きな所をあげようと思う。となると凄まじく量があって選べないので、夫から感じる「愛情」について昔あった話を書こうと思う。

夫がアスペルガー/ADHDだと夫婦で知らない頃、私はいろんな違和感が積もりに積もっていた。一つは記念日。誕生日をスルーされたり、記念日をほとんど忘れていたり、プレゼントも戸惑うものばかり。

ある年の私の誕生日に「一泊旅行をしよう!」と言われてワクワクしながらついて行った。夫が計画してくれている、と思っていたけれど、実は行き先も決めていない突発的なもので、宿泊先はその場で電話していた。ネット検索して一番最初にヒットした安いモーテル、というのを着いてから知った。二人で一泊3千円。狭くて汚くて壁がうっすくて、思っていた誕生日旅行と違った。

翌朝、夫はフロントデスクに乱雑に置かれていた無料クロワッサンを持ってきてくれた。冷たく固く私は食べる気がしなった。私は「せっかく旅行先にきたんだから、どこかのカフェで食べよう」と誘った。

夫は「おいしいよ」とニコニコしながらクロワッサンを食べて、私は夫が食べ終わるのを待っていた。なんか、モヤモヤした。夫ではなく自分自身に対して。

その後一応、アメリカ人友達にどう思うか聞いてみたくて話をしたら「誕生日にモーテル⁉︎あり得ない。私は嫌」と驚かれた。でもやっぱり、私は自分にモヤモヤしていた。

それから数年後、夫が発達障害だと分かる。それとこの誕生日旅行は関係がないが、ウツ状態だったために私はカウンセリングに通い始めた。カウンセラーに長年抱いていた数々の夫に対する違和感を話し、この誕生日旅行の話もした。私の素直な気持ちと共に。

「旅行中、私は不満ばかり感じていました。汚いモーテルだし、私が提案しなかったら冷たいクロワッサンで朝食は終わっていたし、夫に任せると全てが無計画で安っぽくなる。でも夫は旅行中、ずっとニコニコして幸せそうだったんです。宿泊先や食べ物のレベルで夫の幸せが変化するんじゃない。「私と一緒にいることが1番の幸せ」だと伝わってくるんです。だから羨ましいんです、そんな夫が」

こんな内容だったと思う。

夫は特別な日を特別に扱わない。365日変わらずにいる。でも誕生日スルーはさすがにナイのでそれはなくなった。それでも、なんでも無い日に手紙をくれたり、お花を買ってきて私を喜ばせてくれる。

毎日、私の存在に感謝してくれて「私が健康であること、外出先から無事に帰ってきたこと、衣食住があり平和に一緒に暮らせていること」を、言葉にして伝えてくれる。

毎日、家族が変わらずに家族でいられることの幸せに価値がある。

でもそれ以来、旅行は私が計画している。素敵なホテルに泊まりたいし美味しい物だって食べたい。ただ、それだけしか見えなくなってしまいたくはない。物質的にどれだけ与え合え満足させるかが愛情ではない。特別なことをしてくれる夫が好きなんじゃない。夫の存在が無条件に大切だと改めて感じられた。

喧嘩は仕方がないことだと思っているけれど、疲れるので長引かせたくない。愛情があるから仲直りをしたいとも思える。夫も同じ気持ちなのを知っている。

せっかくの日曜日、やっぱり仲良く過ごしたい。仲直りしてくる。