夫婦円満のヒント

ありのままの自分でいいんだよ

「ありのままの自分でいいんだよ」という受容は、子どもの個性を認める意味で親子関係では浸透してきているけれど、夫婦関係など対象が大人になると「ありのまま=自己中でやりたい放題」のように他人に迷惑がかかる意味に捉えられてしまうことがある。

今の大人は幼少期の教育で、自分の感情や意思をありのまま表現したり認められたり、それぞれの個性を育む機会がなかった。その逆、潰されたり否定されることならあった。自分より他人優先。ありのままの自分が分からなかったり、ありのままの自分で愛された経験がないと、相手にも一定の基準を求めてしまう。

私は夫婦関係の再構築で、この「ありのままの自分を認め、ありのままの夫を認める」という過程がとても大切だった。でも夫は問題言動があった。そんな面を夫のありのままの個性として認められるわけない!と思ったけれど、実はその問題は夫のありのままの面ではなかった。

自分を偽り続けなければいけない環境にいた結果が、問題言動として表れていた。

この問題言動は、自分を守ろうとする防衛機制(ディフェンスメカニズム) だったと、ある日夫から打ち明けられた。無意識の反応のこと。特に目立ったのは「認めたくない事実をなかったことにして心の安定を保つ」こと。

優秀でしっかり者、良い子、辛くても我慢して泣かない強い長男でいることを期待されていたため、家庭ではありのままの子供でいることができなかった。また、両親に夫婦問題があったら二人で解決していく様子を子供に見せる機会がなかった。夫から「両親の夫婦喧嘩は僕と兄弟で止めていた」と聞き、私はショックを受けた。夫が夫婦問題を軽視し、話し合いに無関心だった原因はこの辺りにあった。

私の場合は、自分の思考パターンの癖や心の病から生み出されていたストレスを、夫を対象に向けて解消しようとしていた。発散先を置き換えることで自己を正当化し、防衛機制していた。

どんな自分が良い悪いなどジャッジせずに、どんな自分も受容していく。そして向き合う部分をほぐすと、本当の自分が顔を出す。それって無条件で愛される存在だと気づいた。