皆さんの体験談

経済的に不安な母が離婚できないのは「私」のせい?

A子さん

私のお母さんは「自分はカサンドラ症候群だ」と言っています。

両親は仲が悪く、喧嘩は物心ついた時からずっと見ています。喧嘩が始まったら自分の部屋に逃げてヘッドホンをして音楽を流せばいいのですが、一番嫌なのは、両親がお互を無視して口をきかない時です。どうしていいか分からなくて辛いです。

経済的に不安なので、お母さんは私が大学を卒業するまでは離婚は我慢しているそうです。そんなこと言われたら「私が原因なの?だったら生まれてこなきゃよかった」と思います。そもそも、大学へ行くのも私の意志ではないです。でも大学を卒業しないとお母さんが離婚ができないと思うと、罪悪感があります。

学校では友達の間で揉め事があり、私が攻撃的になったことで問題になってしまいました。みんなの前でとっさに言葉より先に手が出てしまったり、カッとなって暴言が出てしまうことはすごく恥ずかしいです。

私も両親に似てきていると思います。

両親に離婚して欲しいとずっと願っていた私がおかしいのか、離婚して欲しいと思わされる家庭で育った私は正常なのでしょうか。

家ではずっと感情を出さないようにしているので、家にいたくないです。こんな家庭で育ったので、私も結婚したら温かい家庭は築けないんだろうなと思っています。

プライバシーで省いてある内容もあるので、私はこれ以上の情報があります。

両親の喧嘩を見て育ち、親(人)の顔色を伺う子になっていった

A子さんは、幼稚園~小学生低学年くらいまでは、両親に離婚をして欲しいと思ったことはないそう。両親が仲良くしてくれれば嬉しかった。 

両親の不仲を感じると、わざと面白いことを言ったり、変なダンスを踊ってその場を和ませようとしていた。両親が喧嘩を始めると、漫画を読むフリをして、気にしていないフリ。本当は怖くても。

A子さんは思春期を迎え始めた頃から怒りの感情とともに「両親に離婚をして欲しい」と思い始めた。その理由は、離婚を我慢している母親が自分の存在のせいで不幸だと思うから。そう思わされているから。

子供には関係のない夫婦間の「夫婦喧嘩」だったとしても、子供の目の前で行われるものであれば、子供への虐待になる。

夫婦喧嘩を見て育った子供が抱える心のトラウマや脳へダメージは、本当に深刻なこと。その辺りの知識はなんとなくではなく、きちんと把握しておくことが必要。

分かっていても感情がコントロールできないことが多すぎるのであれば、環境を変えたり、周りの助け(両親、義家族、友人、カウンセリングなど)を早めに借りることで避けられる問題がある。

不満を漏らされた側は責任を感じてしまう

経済的な理由で「子供のために」離婚を我慢している、よく聞く理由。

もしそれが本当でも、A子さんのお母さんのようにA子さんに直接言ってしまうことはお子さんが傷ついてしまう。もし言わなくても、子供は両親が不仲な家庭環境には何かしら感じてきて、自分が責任だと思ってしまう。

A子さんのように「私が原因なの?だったら生まれてこなきゃよかった」って思ってしまうのは、これほど悲しい気持ちはない。

まず、A子さんは大学に行くことは自分の意思ではないと言っているので、よくご両親と話し合って欲しい。あとあと後悔するのは自分。

私の母は、私がアメリカの大学に行ってここにずっといることをあまり良くは思っていない。娘が海外にいるから寂しい気持ちは分かる。でも私はこれからもアメリカで働きたいので、自分が日本に戻りたいと思わない限り「自分が選んだ環境」で挑戦し続けたい。娘が決めた道で幸せに暮らしている姿を見て、母も幸せを感じてほしいなと思っている。私はそういう母になりたい。

子供のためなのか?自分が行動できないのか?

A子さん

もし私が大学を卒業してもお母さんは離婚しないと思います。本当に離婚をしたかったらすでにしていると思うからです。働くことへの不安や他の理由があると思います。

本当に経済的な理由や子育てが大変な状況で、身動きが取れずに離婚できない人もいると思う。

本当は行動できるけれど、今の暮らしを変えたくないとか、働いて自立する自信がないとか、自分の中にある何かに諦めの感情を持って、そこに留まっている人もいると思う。

経済的に自立しようとする前に、
まず精神的に自立する(自分軸)ことから始めよう

A子さん

お母さんは、自由になれるのにならない選択をしている。でも私には選択肢もない。ここ(家)にいるしかない。早く大人になって自由になりたい。

お父さんと仲良くなりたい気持ちは残っているはず

結局離婚しない理由は、一緒にいることを諦められないからだとも思う。夫婦で仲良く暮らしていけるようにないたい気持ちは、どんなに小さくても、絶対にどこかにある。

相手のことが本当にどうでも良くなって無関心になったら、夫婦喧嘩もしなくなる。

喧嘩自体は悪いことではない。どう喧嘩するか?

喧嘩自体は悪いことではない。子供の前で行う時に、そこから感情的な喧嘩になってしまうか、冷静な話し合いができるか、その後仲直りができるか。

両親がお互いの意見を尊重しながら、冷静な話し合いをして「問題を解決しようと向き合っている姿勢」を子供に見せることができれば、同じ争いでも子供にとってはよい影響になる。

子供は、両親からも人間関係を学んでいくから。

親にも子供時代があり、両親の影響を受けて育ったはず。
家庭環境は連鎖している。
自分の育った家庭環境や両親から影響を受けた自分の特性を知ることは大事。

理想の家族像に縛られなくて良い

例えば、夫婦仲が悪くても子供のために「両親が揃っている家庭」にこだわってしまうと、中身がおろそかになってしまう。

別居していても離婚していても、家族がどんな形であっても、それぞれの親が笑顔で過ごしている姿を見せられた方が、子供も同じように笑顔になる。

子供のためだからという理由を作って、同じ屋根の下で両親がストレスを溜めて過ごしていたら、子供も心理的ストレスが溜まっていく。結果、誰のためにもならない。

相談する人や場所がないだけで子供の立場からの声もたくさんあるはず。子供のためを考えつつ「自分のための人生」も歩もうとしないと、我慢している環境でどんどん追い詰められていき、結局は親も子供も一緒に苦しみ続けてしまう。

「子供のため」という親のエゴで作り出している環境が、子供本人が望んでいることなのか、日頃からコミュニケーションをとってきちんと向き合える関係を作って欲しいと願う。

私は夢を叶えて、生きがいを見つけたい。
だからお母さんも生きがいを見つけてほしい。
by A子さん