皆さんの体験談

障がい者福祉に関わって分かった発達障がいの捉え方 / リエさん編

すべては自分の捉えようで自分の心が作り出してるし、誰といるか環境にも影響される。影響されない強い心と自分軸、信念があれば別かもしれないけど、それでも影響されると思う。日本とアメリカの文化的背景が大きく関わってると思うけど、日本人は自身や身内のことを、人の前でもっと褒めたり自慢していいと思う。良いところに目を向けて、素直に自分が感じてるポジティブな感情を表現してもいいと思う。それを聞いた人も、目の前の人が幸せなら嬉しいと感じると思う。どう思われるか、なんて関係ないこと。相手がどう思い、どう行動するかは相手の問題なのだから。

感情は自分が一緒にいる人に影響される

私は30半ばでずっと独身で、結婚願望もあるし子供も欲しいけど、大変そうだなというイメージも持ってた。愚痴や思い通りにならないことをたくさん聞いたり見たりしてきたから。結婚10年でも旦那さんを褒めまくって「結婚っていいわよ、子どもがいるっていいわよ」と話す友人に出会って、「そうだ、私はもっとノロケ話が聞きたかったんや!」と思ったことがある(笑)

もちろん大変なこともたくさんあるかもやけど、誰かと一緒になるっていいな、子どもがいるっていいなって心から思えた。独女に夢と希望を!なんて思った。でも、それすらも自分の捉え方で、ネガティブに捉えてただけなのかもしれないけど。どんな話を聞いても自分はどうしたいか選べる。とはいえ、まず素直に感じる感情は自分が一緒にいる人に影響されるのではないかと思う。

自分が当たり前と思ってる見方や感じ方

片方がアスペルガーの友人夫婦と仲良くなって、よく物の見方や感じ方の話をする。本当おもしろくっていつも話が尽きないけど、自分が当たり前と思ってる見方や感じ方は、実はすごいことでもあり、偏っていることであることを知った。

外食するといつも旦那さんは他人の食べている料理をあからさまにジロジロ見たり、時には覗き込んだりしていたのを、奥さんは理解できなくて嫌だったと。旦那さんはまず文字だけのメニューでは料理が想像できないので、周りを見渡してどんなものがあるか把握するという。そして、自分の視野が狭いから、自分がジロジロ見られていても気づかないので、相手も気にならないレベルだろうと思っていたという。「自分の視野が狭い」ということを知って、奥さんだけでなく本人も納得したと。不可思議に思える他人の行動の裏も捉え方があることも知った。

トラブルメーカーは私の心だった

発達障害の中にも、個々人によって特性や程度が異なり、まさに十人十色なので「アスペルガー」と一括りにするのは難しいけれど、アスペルガーの方は視野が狭い傾向にあって、相手の表情を読み取ったり、言葉の裏を深く読んだりすることが難しい傾向にあると。ご夫婦がそれぞれの見え方を理解し合えた時、想像力が生まれたと。

私は障害者施設で働き、職場にアスペルガーの方がいる。おかげで、職場の「トラブルメーカー」も、トラブルメーカーではなくてそういう人だと捉えられて円満になった。すごく理解の助けになっている。

トラブルメーカーは私の心だった。

障がい者福祉に関わって知った「個性」

あと、障がい者福祉に5年ほど関わって、知的障がいもアスペルガーもADHDも「個性」なんだと知った。私もおんなじ。私もたくさんの要素を持ってるし、自分を否定していた所も個性だと気づいて諦めがついた(笑)

私はHSP。息をして立っているだけでも、必要ない情報まで感じ取ってしまう敏感体質であることを知った。意識していないと、いつの間にか疲れてしまうことも分かったしだからこそ、人の微妙な変化に気づくことができるんだと知った。みんなそういうものだと思っていたけれど、ご夫婦と話していて、それはみんながみんなできることではないことが分かった。

自閉症の東田直樹さんの本を読んだ時、 彼の視点に共感・共通するところがたくさんあった。 今の日本の社会では、 「障害」や「アスペルガー」とひとくくりにされて、 「健常者」と線引きされているけれど、 その程度はグラデーションだから線引きはできないし、 何が障害で何が普通なのかすら分からなくなってくる。

普通って何?常識って何? そう思ったら、できること、できないこと、 得意なこと、不得意なこと。 どんな人にも両方あって、それは個性であり特性であり、 何がよくて、何がよくないことなのか 誰が正しくて、誰が正しくないのか そういう問題じゃないのではないかと感じた。

自分はどんな人とどんな世界で生きていきたいか

私は自閉症の要素もいくつか持っていることが分かったけれど、ただ空気を読んだり周りに合わせることができただけ。時にしんどくなるまで自分を押し殺してでも、「社会のルール」に従えただけ。そういう見え方がある。そういう人なんだ。それを知って、相手をそのまま受け止められた時、自分の中にスペースが生まれた気がした。

アスペルガーやADHDに関わらず、すべてのことに言えること。相手のことを知ること。違うと認めて、ありのままを受け止める。自分の捉え方も環境も選べる。だとしたら、自分はどんな人とどんな世界で生きていきたいかな。どんな世界を創っていきたいかな。

私は春に入籍することになりました。さくらさんのようにパートナーと理解し想いあえるように関係を築いていきたいと思います。