アメリカでの学び

発達障害の娘さんとお出かけした

日本から遊びに来ていた友達家族が帰国して行った。SNSを通して知り合った方で、発達障害の娘さんがいる。帰国する前日に「アメリカどうだった?」と聞いたら「外出先で娘の振る舞いに困っている時、いつも人々が声をかけて助けてくれた。その人達が全員、療育を理解しているかのような対応をすることに驚いた」と言っていた。

続けて「日本でも人に助けられることは沢山ある。声をかければ優しく協力してくれる人ばかり。でも、心無い言葉を突然投げつけてくる人がいたり、大勢から白い目を向けられて孤独になってしまう経験もそれ以上にあった。だから外出が怖いし傷つくのが辛い」と。

娘さんにとっては逆効果になる対応(しつけ)を突然されてしまい、びっくりして嫌がった娘さんがパニックになり更に泣き叫んだことも何度もあったそう。

日本は周囲に迷惑をかけてはいけない意識が強いから、誰かの目から見てみんなと同じようにできていない人は、「困っていて助けが必要な人、またはその子に合わせた対応をしているから他人はジャッジせず見守る」という理解より、「躾がなっていない子、躾もちゃんとできない親」と容易に判断されてしまうことがあると思う。

知らない人に声をかけて手を貸してもらうことも、知らない人に声をかけて何か手伝えることがないか様子を聞くことも、両者が「声をかけたら迷惑かな?」という気持ちを常に持っていて、それが叶わないこともある思う。

私は夫の発達障害のことならなんとなく把握しているけれど、子供の発達障害で日常を一緒に過ごしていない子の対応は分からない。だから友達家族と一緒に外出した時、私が慌ててしまう場面があった。そして友達も親としていつものように子供に寄り添っても、うまくいかずに途方に暮れてしまった。

そんな時、道ゆく子供から大人まで笑顔を向けてくれたり、大変なの分かるわ~頑張って!という表情とガッツポーズをしてくれたり、大丈夫?何か手伝える?とまず声をかけてくれたり、セラピードッグと一緒に声かけてくれた人もいた。一人ではなく、みんなで子育てしているようだった。道路に寝そべってぐずる娘さんの横に一緒に寝そべってくれて、空の雲を指差しながら話しかけてくれた子もいた。これは目の前で見てて感動した。こういう時の対応を親から学んでいたり、子供同士の遊びから何かを知っている子なのかな。

アメリカ生活を通して、周囲の大人や子供の行動から、私もこういう時こうしたらいいんだなと吸収している。そして自分の学んだことが、今度は誰かの役にたったり気持ちを和らげたりできればいいなと思う。