アメリカでの学び

「ねえ、私アジア人に見える?」

夫が防犯ブザーを買ってくれた。少し前から、外出する前に帽子を深くかぶり大きなマスクをした私が必ず「ねえ、私アジア人に見える?」と聞くようになったのが理由。「うん、アジア人に見えるけど…」とそれ以外返事のしようがないながら、夫なりにもしもの時のためを考えてくれたみたいだ。

アジア人に対するヘイトクライム。暴行ニュースを見てから私は一人で外出するのが怖くなっていた。年末に田舎に引っ越してきてから、ここではアジア人を滅多に見かけない。道歩いててもスーパーにいても、私一人アジア人で目立つ、どうしよう、と思ってしまっている時点で周囲の目を気にしすぎている。

昔、昼間にサンフランシスコの路上を歩いていたら、突然背後から殴られたことがある。アジア人だから、という理由かどうかは分からないが、あの時の恐怖が蘇っているので過剰反応してしまっている。

その同じ週に、昼間に日本人友達がベビーカーをおして散歩していたら、銃を突きつけられて財布を奪われた。観光で来てたアジア人友達の弟も同じ被害にあった。私達が警察から言われて共通していたことは、「アジア人は声をあげないので狙われやすい」ということ。

アジア人差別への抗議デモでインタビューを受ける女性が「アジア人は静かで声をあげないという時代は終わった!」と叫んでいた。多民族国家だと良いこともあるが、人種への偏見はずっと残っている。その偏見が、何かが起こるたびに暴力に変わっている。 差別ない時代が築かれていきますように。