皆さんの体験談

いつかアスペルガーの話を偏見なくできる自分になりたい / さゆりさん編

我が家は数年前に夫がアスペルガー症候群と診断されました。結婚前から個性的な人だとは思ってたけど、結婚してから益々顕著に感じるようになり、診断されるまでの20年以上、それはもう日々のイライラや、はぁ⁈と思う言動、果ては数々の驚くような事件?まで、本当にたくさんのことがありました。

私や子どもはそれに振り回され、特に妻である私はもうクタクタに疲れきってました。長年のストレスも積もって、私はパニック障害のような状態にもなったこともありました。

そんな矢先、勤め先で上司とトラブルになり彼が心療内科を受診したところ、ドクターに発達障害の疑いがあると指摘されたのです。

夫を下に見てしまう「自分自身」が1番悲しいし絶望してる

彼がアスペルガーであることがどうしてこんなに悲しいのか。

今回さくらさんとやりとりをしながら自分なりに考えてみたのだけど、分かり合えなかったり気持ちが交れなかったりする孤独感もさることながら、やはり、夫を下に見てしまう(言葉悪くてすみません)そんな「自分自身」が1番悲しいし絶望してるのだと思います。

対等でいたい。同志でありたい。なんなら尊敬したい。文句言いながらでも対等な関係でいて、また子どもと夫もそんな関係になれたら、って思います。

私自身が愛着障害と指摘を受けた

去年から1年間、私自身がカウンセラーのサポートを受け、私自身が愛着障害ではないか、と指摘を受けました。色々勉強するうちに、なるほどそういうことも絡んでるんだろうなぁ、と思ってます。なるようにしてなった、必要だからこうなった、全部自分が選んできたこと、そんな風にうっすらですが感じてます。

子どもに「ママの夢は何?」と聞かれたけど、わからなかった

「自分自身を受け入れること」きっとそこに鍵があるのだと思います。

これまでの私は他人優先で、自分の気持ちを置いてけぼりにしてきたところがあって…そのせいか、自分のやりたいことがわからなくなってしまいました。

子どもに「ママの夢は何?」と聞かれたけど、何て答えたらいいのかわからなかった。まずは自分を取り戻すところから始めます。

まずは自分自身を理解して受け入れることから始めてみたい

医療機関で言われたり本に書かれてある「理解してあげましょう」や「配慮が必要です」という言葉は、自分自身の心がとても傷つきます。

言葉で言うのはとても簡単だけど、力まず無理せず自然体で、そういう対等な関係になれるように。自分自身を理解して受け入れることから始めてみたいと思います。

私は「アスペルガーの人を叩くコミュニティ」に身を置きたいわけじゃない。その先のステージに進みたい

カサンドラとSNSなどで検索すると、アスペルガーの人を激しく責めるようなコメントが多くて(その人達の気持ちは分かるのですけどね…私も同じように苛立ったりどん底に突き落とされるような孤独感を味わってきたから)、読むととてもグッタリしてしまうのです。

でも私は「アスペルガーの人を叩くコミュニティ」に身を置きたいわけじゃない。彼の特性が分かった上で、その先のステージに進みたい。お互いに対等で居られるような関係になりたい。今はそれが出来ないからとても苦しいのだけど…。

Alanさんとさくらさんのアカウントがこれまで読んだものと違ったのは、そこにお二人が乗り越えてきた過程が書かれており、そしてAlanさんの目線とさくらさんの目線、それぞれの立場から書かれていたのがすごく私の気持ちにフィットしたのだと思います。Alanさんの視点から考えるきっかけをいただいて、更に客観的に見られるようになったんです。

そうか、ウチの夫ももしかしてこういうことで困ったのかもしれない。こういうことがわからないからこの返答になったのかも。そんな風に思った時、少し気持ちが楽になったのでした。だから、普通にしてたらなかなか交われない人達との出逢いに感謝しています。

前を向いて頑張りたい

アスペルガーだとわかった後の私の心境は、原因がわかってホッとした気持ち、今までの言動が腑に落ちた気持ち。色々混ざり合いました。

が、それ以上に重くのしかかるのが、夫がアスペルガーであることが悲しいという気持ち。彼の言動にアスペルガーの特性を感じる度に、その苛立ちがMAXになります。もちろんアスペルガーは悪い事ばかりではなく、いい部分や素敵な部分を見ても、やっぱり悲しく感じてしまう。一緒にいるのに気持ちが遠く離れているような孤独感、これが本当に辛くて悲しいです。

その特性を悲しく思ったり苛立ちを感じる一方で、周りの空気を読んだり「平均」に合わせることを重んじる日本の文化や教育に、私自身違和感を感じています。

でも、どんなに当たり散らしても、自分の苦しみからは逃れられない。全然光が見えてこない。夫に振り回されている自分は、何をやりたいのかもわからない。

「じゃあどうすれば逃れられるのか?」

そう考えた時に、自分自身を見つめてみようと思ったのでした。

自分自身を見つめる勇気を持てば、見える世界は少しずつ変わっていくもなんですね。まだまだトンネルからは出られないけど、今少し自分が動き始めたのが分かります。

この2年、色んなことを考えました。積み木を積んでは壊し、また積み直し、その繰り返しです。少しずつ気持ちの整理もつきつつあります。

今年の秋で50歳になりますが…もっと早く気づけばよかった。50歳で気づいても…と思うけど、そう言っていても仕方ないのでここから前を向いて頑張りたいと思います。そして、夫の言動で大笑いしたり、いつか周りの人にアスペルガーの話を偏見なくできるような自分になれたらいいなと思います。

そして、辛い日が続く場合は、第三者に頼る選択肢も忘れないようにしたいです。